授乳中にしこりを感じた場合、「もしかして乳がんなのではないか?」と心配になることがあるでしょう。授乳中のしこりの原因は乳瘤と呼ばれるものです。授乳中はたくさんの母乳を作り出すために、乳房が張ったように感じます。乳管が詰まり、硬いしこりができることを乳瘤といいます。乳瘤は母乳を絞り出すことで消失します。しかし、絞り出さず放置することで乳腺炎になり授乳を中断することになります。乳がんのしこりも、乳瘤のしこりも放っておくと危険ですので、乳腺外来を早めに受診しましょう。
妊娠中に乳がんが分かった場合、今後や赤ちゃんのことが心配になりますよね。がんの進行状況や妊娠の週数など総合的に判断して、治療方針を決めていきます。乳がんそのものが赤ちゃんに影響を及ぼすことはありませんし、出産後に授乳しても問題ありません。ただし、抗がん剤を服用している場合、授乳は控えなければなりません。
授乳中に感じるしこりは、ほとんとが乳瘤、乳腺炎ですが、場合により乳がんの可能性もあります。妊娠中、授乳中でも検査は可能です。その際、妊娠中、授乳中でも乳腺が発達しているために、マンモグラフィでなくエコーで実施します。マンモグラフィは微量の放射線被曝がありますが、エコーはありません。小さくならないしこりや、気になる症状がある場合は早めに乳腺外来の受診をしましょう。