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抗がん剤の目的について

乳がんの治療には手術、薬物療法、放射線治療があります。性質や進行度合いにより治療を進めていくことになります。

抗がん剤はがん細胞の増殖を抑える治療方法です。転移や再発を防ぎます。転移や転移の可能性がある時、転移の予防や血液やリンパのがんの様な広い範囲に治療が必要な場合に用いられます。

抗がん剤の時期

①早期の場合

抗がん剤で手術前にがんを小さくしてから手術を行いやすくします。しこりが大きい浸潤がんや皮膚に浸潤していて手術が困難な局所進行乳がんの場合、まずは早期化学療法で小さくして手術を行える状態にするために行います。早期化学療法でしこりが小さくなれば乳房温存手術ができる可能性が高まります。早期化学療法では70〜90%の乳がんが小さくなると言われており、最初の危険が低くなります。

②術後に行う場合

乳がんで最も注意しなければならないのは、転移と再発です。術後に行う抗がん剤治療は、可能性のある微小な転移を根絶させることが目的です。術後化学療法を行うことで再発率や死亡率が低くなります。浸潤がんの場合、リンパや血管にのって微小ながん細胞が全身に散らばっていると考えられます。検査では見つけるのが難しく、手術により乳房のがんを取り切れたとしても転移や再発の可能性が残ります。これを根絶するために化学療法をします。HER2陽性乳がんなトリプルネガティブ乳がんに対しては抗がん剤治療がほとんど行われます。

③遠隔転移に対する場合

転移した場合は抗がん剤を使用します。この場合の目的は延命とQOLの改善で行われます。転移したがんは抗がん剤により進行を抑え、延命効果を得ることができます。症状を緩和させることでQOLの改善も期待できます。効果と副作用のバランスをみて行っていきます。

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